ねぇ、俺にしなよ。


「.....へっ?」


頭上から降ってきた、綺麗な声。

びっくりして、勢いよく顔を上げた。


すると、そこにいたのは.....






「大丈夫? 立てる?!」


心配そうに、私に手を伸ばす

長身の美少年だった。




茶髪でサラサラの髪。
長い睫毛の奥には、茶色がかった瞳。

透き通ったその瞳は、
一瞬にして私の心を奪っていった。






「.....ぃ、ぉーい!」

「はっ、はいっ?!」



いつの間にか見とれてしまっていた私の顔の前で
彼は手をぶんぶん振っていた。



「びっくりしたーっ。立てそう?」

「あ、はい! ごめんなさい....」

「いいえ。 君.....新入生?」



学年によって色が違う制服のリボン。
私の赤色のリボンを見て、彼は目を点にした。



「...え? っはい」

「....入学式は?」



あっ.......

そうだった!!!!!!!!!