ねぇ、俺にしなよ。


私、東雲 蘭奈の初恋は

高校1年生の入学式.....


突然訪れた。









「....ヤバっ! これ完全に遅刻じゃん!!」



待ちに待っていた、高校の入学式は

目覚まし時計がぶっ壊れるという非常事態により
寝坊から始まった。




マッハのスピードで支度を済ませ、
まるで漫画の主人公のようにパンをくわえて家を飛び出した。

...あ、でも 漫画でくわえてるのは大抵“食パン”だけど
私は“メロンパン”だったな。




そのメロンパンを食べ終えた頃、目の前に大きな校舎が現れた。

真っ白な壁に、広いグラウンド。屋上のフェンスも見える。

そして、綺麗で規則正しいチャイム音。


......チャイム音?!?!

てことはもう入学式始まるっ?!?!?!



軽快なチャイムとは裏腹に、私の心臓はドクッと脈打った。

高校初日から遅刻って.....
バカ全開じゃんか、私。



先生達の鋭い視線、生徒達の嘲笑うような目が脳裏を過ぎり、
ゴクッと唾を飲んだ。

そして、真新しいブレザーに身を包んだ私は
全速力で走り出した。