「雨が降ってるのね、これ良かったら使って」


渡されたのはふかふかのタオル。

あぁ、私ずぶ濡れだもんね。

おばあさんの好意を素直に受け取ってから私は小さく頭を下げた。


「身体が冷えきっているでしょ?レモンティはお嫌い?」

「いえ、紅茶は好きな方です」


私の答えにまた優しく笑ったおばあさんは、頷いてから私に背中を向けた。


「私も紅茶が大好きなのよ、待っててね!今とびきり元気の出る紅茶をご馳走するからね」


用意を始めたおばあさんを横目で見ながらさっきかしてもらったタオルで身体を包んだ。


柔らかいタオルはやけに優しく感じて、私はゆっくり目を閉じた。