次の日からは
あまり幻聴などが
無くなっていた。

「おはよ」

「おはよう」

治ったわけじゃない。

感情あるものの、
ボーっとして
自分が空っぽになる。

「着いたよ、学校」

下駄箱に進む度に
足は重くなった。

それとは対称的に
雅は軽い足取りで
ロッカーからスリッパを
出した。

「梨香の分」

私の前に出されたスリッパ。

「ありがとう」

口だけが動く感じだ。

「おはよ、あ、」

「おはよー、そうこの子」

「よろしくね。
俺、雅の彼氏」