わがまま王子の手なずけかた




た、たすかったあ〜
あたしは力が抜けて
立てそうにもない。


「あ、あのっ…
ありがとうございましたっ!」


「………。」


山下 勇介というイケメンくんは
無言で私をじっと見て
どこかへ去っていった。



ようやく寧音も落ち着きを取り戻し、


「あの人イケメンだったねー!
めっちゃ梨奏のタイプじゃない?」


「うん(笑)まーね(笑)」



「あの人、あたしたちと同じ学校だよね?
制服、明秀のだったし!
何年なんだろー?」