すべての涙は君のせい

「紘くーん!起きてーっ」



「朝っぱらからうるせぇな。つか、大声で名前呼ぶなよ!」



窓を開けてそう叫ぶ紘くんは、照れながらも笑顔で私よりも大きな声だった。



それに笑いながらも私は笑顔で挨拶をした。



「紘くん、おはよう!」



「はよ。すぐそっち行くから待ってろ」




窓を閉めて階段をドタドタ駆け下りる音が聞こえた。




そしてたった数分で紘くんの家のドアが開いた。