バンッ!
「ねぇ、聞いてる?」
仁王立ち……右手は腰に、左手で人様の机を叩く姿は、髪はブロンドで短いおさげの可愛い顔をした少女とは思わせない。
「黙ってたら可愛いのに。」と、教室の端で呟く男子の言葉を聞き逃さない地獄耳は生まれつき。
「ぁん? 何か言った?」
横目でギロリと睨み付けながら、たちの悪いヤンキーの様な言い方で脅す。
すると、「いやぁ〜、今日も髪留めのリボンお似合いですよ、ホント。」とか、言っちゃって、謙遜する男子。
「今日も? あら、不思議ねぇ。リボンを着けて学校に来たのは今日が初めてなのよ。」
敢えて美しいカーブで表された笑顔の口元。何か裏があるかのようなそれは、まるで悪魔のようだ。

