いきなりすぎて硬直。
ついで考えが追いついたけどパニック。

まてまて、なんで!?
なんか俺言ったっけ?いや、言ったけどさ。そーゆーことじゃなくて。
てか苦しい!後頭部わしづかみにすんな!息できねぇ!


無駄だとはわかっているけど、一馬の胸板を叩く。
見事撃沈。

いや、結果は分かってたんだけどな。
気づいてないってことはないようだ。さっきからこいつのニヤニヤ度が高まっていってる。

そんなに俺をいじめるのが楽しいか、この変態。
うわ、まじか、なんか口ん中に生温か……うわぁぁ!!


――暫しお待ちください――


「ハァ…ハァ……」

ようやく解放された俺は、またもぐったり。
なんだこの疲労感。こんなに体力奪われるもんなのか?
それともなんだ、俺の体力を根こそぎ奪おうて魂胆か。


「さぁー翔。俺のどこが好きだ?」

「え、だからさっきわかんねぇって…」

「それで俺が満足すると?確かに可愛かったけど、抑えきれなくてキスしちゃったけど。
俺が許すとでも思ったか?あぁん?」


…いえ、滅相もございません。
怖いぞ一馬。なんか、時代劇の悪徳代官って感じだ。
現代風に言うとヤクザみたい。


「いや、でも、だってさ…」

「じゃあなんで俺と付き合った?」

「え、それは一馬に流されて」


と答えて後悔。
これ、本人に言っちゃだめなやつだったんじゃね?
ってもう言っちゃたんだけどさ。


「ほぅ、俺に流されて?それで好きでもないのになんとなぁく付き合ったと?」

「い、いや、ちがっ」

「……はぁ、許す」

「へ?」


まさかこんな簡単に許してくれるとは思わなかった。


「だから、またさっきの魔女っ娘になってくんねぇ?」


ニヤニヤと笑いながら、なにかを確信したように脱ぎ捨てた服を指差す一馬。

前言撤回。
やっぱり簡単には許してくれなかったようだ。