私の存在に気づいた男は土方を屋根から突飛ばし、私の方にやって来た。
私は刀を抜いて、その男と距離を取った。
男は口の端を上げて言う。
「貴様は同族の俺に矛先を向けるのか?」
この男…何言ってんの?同族?
『あ、あんたなんか知らないし。それに同族って何?』
「ふん…哀れなやつだ。じゃあ…桜蓮華(おうれんか)とでも言えば分かるか?」
―――――ドクンッ!!
桜蓮華…この名前は私の別名。千本桜の主、桜楓華(おうふうか)の末裔でもある。
じゃあ…もしかしてこの男は…
『あんた…もしかして東の国にある千本桜の黒楓蓮(こくふうれん)?』
黒蓮華とは私の末裔…ってか姉の桜楓華の婚約者。
だけど、姉は病気で亡くなったため、私が婚約者になってしまったのだ。
親が勝手に決めたせいで。
でもなんで?
何であんたまでタイムスリップしてきてんの?
