沖田は少し悲しそうな顔をすると私に言った。
「そんなこと分かってるよ。だからこそ…生きている今だからこそできることをやっておきたいんだ…。僕が近藤さんの盾になって近藤さんを死んでも守ると…遠の昔に決めたんだ…。」
私は改めて思った。
これが誠の旗の下で生きる武士の志なんだと…。
私は沖田の可能性を信じることにした。
『分かったよ…。でも、無理はしないでね。土方たちには言わないようにしとくから。』
「ありがとう。」
沖田は満面の笑みで言った。
この光輝く笑顔が無くなる時が近づいているのに私は気づかなかった。
