道場につくと、斎藤さんの隊の人が稽古をしていた。
沖田はそこにズカズカ入っていくと黒い笑顔で隊の人に言う。
「ねぇ…一くんどこ?」
隊の人は怯えながら答える。
「く、組長ならたぶんお部屋で刀の手入れをしていると思いますけど…」
沖田は話している隊士の隣にいる隊士から木刀を奪い取った。
「君、僕の相手してくれる?」
「え!?俺なんかじゃ相手になりませんよ…沖田組長。」
「僕の言うこと聞けないわけ?」
「分かりました。」
私は三番隊の隊士が次々と倒されていくのを見ているだけだった。
「はぁあ。つまんないの。やっぱ一くんじゃないと楽しめないや。凛、部屋に戻ろう。」
『う、うん。でも、怪我をしている人がいるかもしれないし、手当てをしてあげないと…』
「一応こいつらも新撰組の隊士だよ?ほっとけばすぐに治る。」
『手当てを…』
「いいから。今の僕に楯突くと、いくら君でも斬っちゃうよ?」
『分かった。』
今の総司に反論すると殺される…
私はそう思った。
斎藤さんが騒ぎを聞き付けて道場にやって来たのは私たちが去ったあとだった…
