私たちは無事に江戸にたどり着いた。













土方は黒蓮華との死闘で負った傷のせいで高熱を出し、今も苦しんでいる。












斎藤は、巡察に行っていてまだ帰って来てない。












永倉と原田は離隊するそうだ。




私は、それを必死に止める。










『何で出ていっちゃうの!?』
















原田は笑いながら言う。












「俺らは土方さんや近藤さん達のように武士になりたくてここに来たわけじゃないんだ。」













『何で笑いながら言うの!?武士になりたくなくてもここにいればいいじゃん!』













永倉は拳を握りしめながら言う。












「凛ちゃん…行かせてくれよ。また会えるって。保証はできないけど。俺たちは新しい隊を作って影から新撰組を支えるようにするからよ。」













『だって…局中法度には、隊を抜ける場合…切腹って書いてあったよ?』













原田は少し考えてから言った。











「俺たちは御陵衛士の奴等と同じ理由で特別に出して貰えたんだよ。」











『二人が新撰組にいてくれた方が平助も嬉しいと思うよ?』











永倉は沈み行く太陽を眩しげな瞳で見つめながら呟いた。









「俺も、本当は新撰組にいたいさ。でも…近藤さんたちの意見が正に合わねぇんだよ。これ以上耐えるのももう…無理だから。悪いけど、平助にはそう伝えといてくれ。」













この人たちの決意は固い。











そんなこと私も分かってるはずなのに…




















私の頬に涙が伝う。