優翔は刀を構えると自分の心臓に突き立てた。
―――――ドスッ…
『優翔ー!』
「ククククッ…バカめ…自分を犠牲にしてまで俺とのリンクを断ち切るとは…」
妖刀の怪しい光が無くなり普通の刀になった。
私は倒れている黒蓮華を抱いて雨の中、泣いた。
黒蓮華は掠れた声で言う。
「すまねぇな…俺があんな刀に手を出したから…本当は…お前が婚約をOKしてくれるまで待つつもりだったけど…アイツが勝手に俺の体と心を操りやがった…」
『もう、分かったから…喋らないで…』
私は泣きながら優翔の傷を治療する。
「お前…好きな人いるんだろ?」
『いるよ…』
「そうか…最初から分かってたんだよ…でも…親同士が決めたことだから断れなくて…」
『もう…そんなこと気にしてない!!だから喋らないで!』
「治療はもういいよ…どのみち俺は助からない…あ、そうだ…俺の最期のお願い…聞いてくれるか?」
