次の日――――― 私は中庭に出た。 『うわぁ…!綺麗だな〜。』 中庭にはとても綺麗な桜が咲き誇っていた。 私は腰にある刀を抜いた。 そして、その刀の峯を桜の木の幹に当てる。 この儀式は、千本桜の主がよくやることだ。 この瞬間だけ桜の木と話ができる。 『桜の木よ…我の声に答えろ。』 ――――ぉおおぉ… 風もないのに桜の木がなびく。