私は土方の部屋にお茶を置きに行った。












襖を静かに開く。















『土方…お茶。』











「お、おう。悪いな。…お前、最近元気無いな。どうしたんだ?」












『土方…あのさ、質問何だけど…土方はさ、好きでもない女性に結婚を申し込まれたらどう思う?』












行きなりの質問に土方はビックリしている。












一旦、筆を机に置くと私に向き直り行った。










「俺の場合はな、惚れてもいない奴となんか結婚しねぇ。って言うな。」












『だよね。やっぱりそうだよね。私ね…今頃こんなこと言うのも変だけど…実は沖田のことが好きだったんだ。でも、黒蓮華が婚約を無理矢理してくるから沖田が生きているうちに告白できなくて…』













土方は泣きそうな私の頭に手を乗せると、予想以上に優しい声で言った。












「そうか…。なら、黒蓮華を俺が倒してやる。そうすればお前は総司一筋になれるってこったろ?」











『無理だよ…千本桜の主は普通の人間より遥かに強いの。いくら土方だって、敵う相手じゃないよ。』












「やる前から諦めてんじゃねーよ。もちろん、お前にも協力してもらうからな。」