『…そんなの…知らない。』
「俺とお前が結ばれれば、より濃い千本桜の主の血を受け継ぐ、子供が産まれる。主の数が年々減ってきてるのはお前も分かってるだろう?」
『そうだけど…』
「俺たち主がいなくなれば…千本桜は一本残らず朽ち果ててしまう。血が薄い子供が継ぐことなんぞ、ほとんど叶わないんだよ。それに、女の主は珍しいからな。」
私はどうしたら良いの?
主同士が結ばれれば…
主の濃い血を受け継ぐ子供ができるのは私だって知ってる。
でも…
それでも私は好きでもない相手と結ばれるのだけは絶対に嫌だ!!
「ま、お前が嫌がろうが何しようが連れ去る予定だからな。覚悟しておけよ。じゃぁな。」
黒蓮華は塀を飛び越え、町の人々の中に消えた。
