幹部を二人も亡くした新撰組はかなり不安定な状態だった。
近藤さんは部屋からあまり出なくなり、土方も仕事詰めで夜も寝れない日々が続いた。
私は、縁側に腰を下ろして星と月が瞬く空を見上げた。
あの星の中には、平助や沖田がいるのかな…
また私の頬を涙が伝う。
――――――カサッ…
後ろに人の気配を感じ、刀に手をかけ、後ろを振り向く。
「俺だ。斎藤だ。」
『斎藤さん…』
「…また泣いているのか?」
『泣いてなんかないよ…』
斎藤さんは私の隣に腰を下ろした。
「お前もよく泣く奴だな。また、自分を責めているのか?」
斎藤さんは勘が鋭い…
嘘を言っても、すぐ見抜いてくる。
