砂浜に座って海を眺めてると、右横から名前を呼ばれて、首を90度右に曲げる。


「やっぱり保四だ。偶然だな」


「き…響市っ!?」


そこにはサラサラの黒髪を風になびかせて、たった今私が頭の中で思い浮かべていた響市が立っていた。


「ぐ、偶然だね!アンタどうしたの?こんな所で」


思わぬ幸運に浮かれた私は、スクッと立ち上がり、響市と向かい合わせに。


響市はニッコリと微笑むと、視線を海の方に移した。


「なんかいきなり海行きたくなってさ。秋の海って夏と違って、なんか幻想的だよな。キレイだな………海」


キュン……ッ