夏の海は人がゴチャゴチャたくさんいて、歩くのも一苦労。


でも今は私以外に誰もいなくて、貸し切り状態!


広い海を一人占め出来て、私は泳げなくても充分だった。


「欲言ったら……アイツと一緒に来たかったけど………ね」


アイツ――――…影草 響市《かげくさ きょういち》。


響市は私と同じ学校の同級生で、クラスも一緒。


いつも明るくて気遣いが出来る響市は皆に好かれてて、もちろん私も響市が好き。


ただ私の響市への“好き”は、恋愛感情の“好き”であって………もう2年も片想いしてるんだ。


「アレ?保四?」