「いいや。両方保四が持ってて」


「えっ……でも――――…キャッ!?」


勢い良く響市が走り出したので、咄嗟に私は響市の肩の部分にしがみつく。


響市はクツを履いたまま、海の中に突進して行った。


「いいの!一緒に近くにいた方が、オレとお前の“これから”と同じで、ソイツも嬉しいだろうからさ!!」


明るい太陽に向かって大声で叫ぶ響市。


その言葉の意味を考えて、理解した瞬間――――…また私の目から涙が溢れ落ちた。


「ウワ、ちょっと泣くなよ保四!!」


「だって……フェ~~~~ンッ!!」


ねぇ、響市。