私は、翌朝からいつもの毎日に戻った。
いつもの時間に起き、いつもの時間の電車に乗った。
相変わらず頭は痛いが、気分は晴れ晴れとしていた。
私は新聞を持ち、エレベーターに乗り二階へ行く。
いつものところにキヨさんがいなかった。
私は、夢を思い出していた。家に帰っているのかもしれないと思った。
私は新聞を置き終わった後、事務所に戻った。
私は相馬さんに聞いた。
「・・昨日は休んでしまってすみませんでした。あの、山田キヨさんは
外泊ですか?」
相馬さんは私にいった。
「昨日はそれほど忙しくなかったから大丈夫だったわよ。
 山田さん??えーっと、あぁ山田さんね。昨日急変して病院に入院になった人ね。
今日の朝早くに亡くなられたみたいよ。最近寒いからね〜。
風邪も流行っているし急変する人多いみたい。お年寄りにはきついよね。」
私は信じられなかった。
この前まであんなに元気だったのにそんなことあるはずがない。
私は黙った。
「あ、そうそう渡辺さんこれなんだけど。」
相馬さんは、仕事の話をしだした。
お年寄りの急変や急死は冬になると増えることもあって
相馬さんは良くあることだというような顔をしていた。
私はキヨさんの顔が頭から離れなくて相馬さんの言葉が聞こえなかった。