「ちょっと無理したね~」

「え?」

私のお腹に手をあてているのはこの辺では有名な産婆さん

「逆子になっとるよ」

「へ?」

「動きすぎってとこだね。もうじき生まれるし…病院で産んだ方がいい」

「そんな…」

病院恐怖症の私は入院したくなくて自宅出産を希望していた

ひとりで産めないよ…

渉…

無意識に指輪を握る

「逆子だと臍の緒がくびにからんどるかもしれんから赤ちゃんのためには病院で産んだ方がいい」

「治りませんか?」

「ここまできての逆子だからね…治すときになにかってこともあるからね…。親になるなら覚悟も必要よ」

「……」

産婆さんの話になにも言えなかった