醜女と呼ばれた姫







 顔をうつむかせていた私は、様子を見ようと顔をあげる。


 すると、成正さまはこう返した。









「君のその大きな目は、純粋な子らのように愛らしく」






 顔を滑っていく、手。







「その微かに波うつような黒髪を持つ君は、天女のように私には見える」








 冬に降る雪のように、私はとけてしまいそうだった。

 この人は、なんて甘い言葉を囁くのだろうと。