「私、醜女などと言われていたこと、初めてよかったと想いました」 「なぜ? 決していいとはいえないだろうに」 「わかり、ませんか」 「わからないな。教えてくれ」 耳元に唇を寄せてくるので、くすぐったいと身をよじった。だがそう簡単に許してくれるはずもなく、腕に閉じ込められる。 さあ、とうながされ、ちょっと恥ずかしいけれど、と始めた。 「醜女と噂されていたからこそ、成正さまと出会えた、と思ったんです」