「成正さま」 「うん? 」 夜。 手枕を交わしながら、思う。夢みたいだと。夢じゃないよ、と笑う成正さまは、私の手を自らに触れさせ、確認させる。 「ほら、夢じゃないだろう?」 赤い顔を見られるのは恥ずかしいから、私は少し俯いている。 そんな中、成正さまの手が、髪や頬を滑るように撫でているのが心地よくて、寝そうになってしまう。 もっと、一緒にいたい。 そう思ってしまうのは私だけだろうか。