女房が「姫様、文が」と言ったとたん、私は顔が赤くなってしまう。 それを見た女房がふふ、と微笑むのを少しだけ、恨めしく思った。 こう何度も、想いを告げられると、それだけで死んでしまいそうなくらい、胸が苦しくなるのだ。 今日、男はここへ来る。 その文が昼間届いた。 夢ではないか、と思ってしまう。 夢なら覚めるのは怖い。 醜と、醜女だと言われ、一時は嫁ぐも離縁され、もはや私は一人だと思った。 そんな私に、恋をしているというのだ。 信じてもいいのだろうか。 私を、愛してくれると。