熱烈なその文は、求婚としかいいようがなかった。 それに、私は戸惑った。 どうしたらいいのか、自分の気持ちを持て余す。 うまく伝えられない。 和歌が苦手だということに、これほど悔いたことはない。そんな私を、貴族の娘が、と呆れるだろう。 だが、男は一向に文をやめなかった。 私がへたくそな和歌を送っても。 私が正直に和歌が苦手だといえば、 「貴方の文だからこそ、うれしいのですよ」 などと文がくる。 もはやどうしたらいいのか。 胸が苦しくなる。こればかりは、どうにもならない。