醜女と呼ばれた姫







 悲しくなった。



 気が緩めば、涙が落ちる。

 女々しい。





 顔にあざや大きな瘤があるわけでもないのに。

 醜と呼ばれるのが苦しくてならなかった。





 外に出たくない。もう歌会にも出ない。そう決めた。

 父上にはまた迷惑をかけるが、仕方ない。父上も許して下さるだろう。







 気を沈めたままの私に、不意に声がかかった。

 入ってきた女房が首を傾げながら、差し出す。







「姫様あての文です。ですが差出人がわからなくて……」