「ねー水城さん。」

「何？」


知らない女子に話しかけられた。

と言っても私の場合みんな知らない女子なのだけれど。


「最近大記と仲良くない？」


またこのパターンか。

またうざいとか引っ付くなとか言われるのかな。もう慣れているからいいけど。


「あれは、仲がいいというか…。」

「どうやって大記と仲良くなったの！？」

「…は？」


予想外の言葉に私は思わず聞き返してしまった。

女子は私の机に手をつき、身を乗り出す。

私が瞬きを繰り返していると、急に女子がいたーい！と大声を上げた。

私はその声に驚き、思わず体をびくりとさせる。


「何やってんだよ、瀬那。」

「大記ー！叩かないでよ！馬鹿になるじゃん！」

「もう馬鹿だから安心しろ。」


どうやら叩いた人は志賀だったらしい。

叩かれた本人はねえねえと志賀の腕を叩く。


「おいお前腕叩くな！お前が叩くとまじで骨折れる！」

「この子が水城さんでしょ？めちゃくちゃ可愛いね！私友達になりたい！」

「なってやれよ。こいつ友達いねえから。」

「う、うるさい！」


自分では友達がいないなんて普通に言えるけどほかの人に言われるとなんかむかつく。

女の子は志賀の言葉を聞いて嬉しそうに目をきらきらと輝かせた。


「じゃあセナが友達第一号だ！私二組の広沢瀬那！佐奈ちゃん、よろしくね！」