「ねー、なんでこんな日に屋上なの？寒くない？」

「ずっといれば慣れるって。」

「何それ！男子はズボンだからいいじゃん！」


ぐちぐち言いながらもお弁当を開くと、志賀はそれを覗き込んだ。


「うまそー。お前の親作るの上手いな。」

「残念。作ったの私ですー。」


卵焼きを口に運ぶと二人は驚いたような表情になった。

なんか私が嘘言ってるみたいな感じになってる。


「嘘じゃないからね。」

「なんか意外。」

「俺も。」

「は？なんで？」

「水城さん、料理とか家事全般苦手そうなイメージだった。」


まさか野村くんにも言われるとは。

私そんなにだらしないイメージだったのか。


「卵焼き一個頂戴？」


志賀の手が伸びてきたので、お弁当箱を差し出すと、卵焼きを一つ取り、それを口に運んだ。


「どう？」

「普通にうまい。水城まじで料理上手いな！」


嬉しそうに笑った志賀になんだか照れくさくなって私は隣にいた野村くんの背中を叩いた。


「水城さんっておもしろい人だね。」

「だろ？」