木漏れ日の零れる入学式の日。

彼女、常盤美華は職員宿舎の横に建つ大きい屋敷のなかで目を覚ます。


ここにはある条件を、満たすごく限られた者のみが出入り出来る。


毎日代わる代わる誰かが来るのだ。


ーコンコンー


「美華っ!起きてる?朝ご飯用意してもらったよ。一緒に食べよ」


『ええ。着替えたら行くわ。先に食べてて。』


美華は身体を起こしキングサイズのベッドから出る。


漆黒の髪腰まであるを揺らしながら少し眠たげに目をこすり


クローゼットの、前に来て真新しい制服に腕を通す。


鏡の前で、絡まることの無い髪を梳かし整え立ち上がりドアノブに手を掛け


部屋を後にする。