あと少し少し…

次の日学校に行くと、加奈が笑顔で迎えてくれた。

「ゆかあ〜!おめでとさん!」

「えへー!かなあ!ありがとうっ」

2人はギューっと抱き合った。


「ってもまだまだ始まったばっかなんでしょ?」

「そ...そうなんだけどさあ。」

「浮かれてばっかじゃあいけないよ。」


加奈は由佳と同じでずっと女子校なのに、異性との交流が多いのだ。

理由は簡単で、ただ加奈が可愛いのだ。

2人で遊んでいてもすぐ加奈に声がかかる。

由佳が可愛くないことでは無いが、加奈はオーラから輝いているのだ。


「ですよね〜恋愛マスター....」

「なによ恋愛マスターって!」

「いや、加奈はそうなんだよ!だって彼氏いるじゃーん。」

「いるけどさあ..そんなのないって!」と加奈は笑った。

「いやいやいやいや!あるから彼氏しるんじゃんか。私なんて彼氏いない歴=年齢なんだすけど!?」

「いいじゃんいいじゃん。なんか可愛いじゃんかあ〜」

「可愛くなんてないよおっ!困ってますの!」

「ほらでも.やっとの初恋なんでしょう?」

「そうだけど〜」

というかんじで2人はわいわい騒いだ。


授業中、無意識だったか由佳の頭の中でイッパイだった。

次はいつ会えるのかな、とか次は何を話そうかなとか。



「いとーう!いとう!」


ハッと顔を上げたら、いつもの数学教師がにやけながら目の前に立っていた。

「なぁ。さっきから呼んでるんだけどなあ」