優治はブランコからぽんっと飛び降りて、くるっと回り由佳の顔を見て手を伸ばしてきた。
「行こう。」
優しい眼差しで由佳を見つめた。
由佳は何も答えることが出来ず、ただ優治の手を握って立ち上がった。
「ん。いい子いい子。」
と優治が笑った。
このときから始まっていたんだ.....
由佳の恋は。
その後は、2人で塾に帰って各自で勉強を始めた。
優治は由佳より先に来ていたので、早く帰ってしまった。
その帰り際に”頑張れ”と言って、塾から出て行った。
その時も由佳は何も言う事が出来なかった。
ただ軽く頭を下げるだけだった。
由佳の心臓は極端に言うと、爆発寸前。
ものすごく早く鼓動が鳴る。
それと同時に由佳の顔もカーッと赤くなってゆく。
