「初音。」


その声で、一瞬にして煩かった教室が静かになる。




『・・・・高橋先輩・・。どうしたんですか・・?』

そこにいる先輩にしか見えないように、嫌な顔をする。


「せっかくだし初音と一緒にご飯食べようと思って。」

そう言って、手に持っていた弁当を少しあげる先輩。



『け・・・』
「どうぞどうぞ~♪」

断ろうとしたあたしの口を未咲が押さえて、勝手に承諾してしまう。


「そう?じゃぁ遠慮なく。」

そう言って先輩は教室まで入ってくると、あたしの腕を引っ張り歩き出した。