秘密の部屋



おそるおそる行ってみた。

背が小さくて、細くて

髪が長くて、茶色くて。


…俺の大好きな香水の匂い


「なんでここに…」

振り返った彼女は


…らん…



「なんでここにいるんだ?」

会わないように、思い出さないように

お前に会うの我慢したのに…


「ごめんなさい!!あのったまたまっていうか…」


とにかく離れるべきだと思った。

「そうか。早く帰れ。もう暗いから。」

あいつは方向音痴だから

ちゃんと帰れるか心配だけど

仕方ない。



顔を見ると泣きそうだった。

言い過ぎたか?

「あのっ!お名前教えて下さい。」

「奏汰厚だ。」


笑った。
もしかして…

「ありがとうございました。失礼します。」


勘違いか…

「なんで…」

なんで会っちまったかなぁ…

思い出しちまうかな…