秘密の部屋

厚くんは

一言も話さなかった。


避けていたくせに

嫌いなくせに

なんで助けてくれてんだ。

人の気持ちも考えろ!

これじゃ

期待しちゃうじゃん。


□■□

『私ね、お嫁さんになるのが夢なの!』

『ふーん。』

『将来ね大好きな人と結婚するんだ!』

『お前が幸せになれるわけねーょ。』

『どうして?』

『お母さんの愛を知らないやつが
 人を愛せるわけがねー。』

□■□


「はぁ……はぁ……はぁ……。」

また違う夢。


誰?

あなた誰?


なんでお母さんのこと…

あのときの母が

フラッシュバックする


『汚い、あっちいきなさいょ!』

『なんで生まれてきたのよ!』

『全てお前のせいだ!』



「キャーーーーー!!」

壊れるくらいに

頭をたたいた。