秘密の部屋

放課後

また厚くんはこなかった。

避けられている

私迷惑なんだ

そんなことが頭に浮かぶ。

「仕方ないんだよ…」


1人家に帰るために部屋を出た。


結構歩いたけど

なかなか外に出られない。

「もしかして…」

またもや方向音痴炸裂。


周りは

教室、教室、教室

時刻は7時

外は真っ暗だろう。


「どうしよう…」

このまま帰れなかったら…





「……らん?」

「……こうくん?」


目の前には厚くんがいた。

「お前何してんだよ。」

厚くんは怒っていた。

「自分が方向音痴なこと、もっと
 自覚しろよ。」

「なんで方向音痴って知ってるの?」

私は厚くんに

方向音痴って伝えたことは

……一度もない。


「とにかく、帰るぞ。」