秘密の部屋





私の目の前に


夕陽があった。


「…らん?」


「…こうくん。すごいね!」


「えっ?」



ちょうど沈む夕陽

部屋はオレンジ色で

いつも私が

見ている夕陽と同じ


「…これ書いたのこうくんでしょ?」


全部絵だった


「あぁ。」


夕方カーテンを開けて

入ってくる光

夕陽だと思っていたけど


ただ厚くんの絵を

引き立たせる道具にすぎなかった。


あの夕陽は

厚くんが書いたんだ。



「どうして、何もしてないって…」


「いつか分かる日がくるよ…俺がいれば…」


朝陽は夕陽になって

私たちをオレンジ色にする。