✩「紅葉と涙」
「姉さんッッ!!! やばいことがおきましたッッ!!」
「なんだょ、美紀・・・?? そんな真面目な顔で。」
全く、今いい感じに楽しんでるのに。
「よぉく、冷静に、聞いてください。」
美紀がすごく真面目な顔で、
まっすぐこっちを見てくる。
「だから、何だょ??」
思いもしなかったんだ。
そのときはチームで、騒ぎまくっていた時だったからー・・・。
「姉貴の、両親達がッッー・・。」
「は??
両親がどうしたんだょ??w」
そんな、笑っているあたしにかまわず美紀は続けた・・・。
「交通事故です、交通事故にあったんですッッ!!!!
トラックに突っ込まれてー・・・」
は?? 美紀は何言ってんだょ??
そんな、そんなことがあるわけー・・・??
昨日まで笑っていた両親が・・・??
「今、近くの宮澤総合病院にいます!!! はやく、はやく行ってあげてくださぃ!!!!」
ドクンー、ドクン。。。
心臓が嫌な音に変わる。
嫌な予感がして、たまらなぃ・・・。
あたしは、もう泣くことなんか忘れていて、
単車に乗っていた。
ハヤク、ハヤク。。。。
まだ逝かないでよ? お願いだから。神様??
こんな、取り乱している自分は久し振りだ。
怖くてしょうがない。
体が震えているのが分かる。
そんなことも思いながら、病院についていた。
急いで、受付の人のとこまで行く。
「あっ、あの先ほど運ばれてきたー・・・。」
震えて声が出ない。。。
それに気付いた看護婦は、
「あっ、さっきの交通事故で運ばれてきた両親さんの・・・・!???」
声もでなかったのか、首を縦に頷く。
「いっ、急いでッッ!!!」
手を引っ張られ、看護婦さんについていく。
ガラッッ!!!!
「あっ、あの、娘さんなんですがー・・・!!!」
勢いよく、部屋に入ったー・・・。
・・・だが、
「え!?? 娘さん??
うっ、・・・・。 私なりに頑張りましたが・・・、もう。。。」
見た瞬間に気付いてた。
入った時から。。。
医者達は、下を向いている。 泣いているさっきの看護婦さん。
神様・・・、あなたは時として意地悪になるのですか・・・???
あんだけ、祈ったのに・・・な。
あ、もう遅いか。
泣くことを忘れていたはず、なのに
両親の手をにぎって、あたしは泣いていた。
「つ、冷たいょ?? お母さん、お父さん・・・。ねぇ・・・??
なんでなの・・・? ヒック、、、なんで? なんで・・・。」
もぅ、問いかけても答えてくれない。
「もっと、甘えとけばよかったな。」
そぅ、これが後悔というもの・・・。
なんて残酷なものでしょう・・・。
紅葉がきれいで、色鮮やかな景色。
9月20日
あたしの両親は死んだんだ・・・。
