それから何も無いまま一週間が過ぎた。
卍も忙しいらしく、命令をなかなか下せない様子。
オフィスでは千尋、蓮、広、哲、玲が優雅にお茶をしていた。
「最近暇だよねぇ…。」
哲が紅茶をすすりながら言った。
「頭領も国のお偉いさん方に呼ばれたりとかい大変そうだしな。」
広も同意する。
「あ、そういえば…千尋と蓮君の体育祭は明日だったわね。」
「うん、玲さん来てくれるの?」
「もちろんよ、お弁当も気合い入れて作るわ。」
わーい!と言って千尋は玲に抱きつく。
「あ、ねぇ、蓮。下月高校の体育祭の仮装リレーはさ、いつぐらいなの?」
「ん?午後の部の一番最初だったと思うけど。」
「よし、広と一緒に見に行くよ。毎年楽しみなんだよね、色々とコスプレがあって。」
二ヒヒと哲が笑う。
「なんで俺まで...」
と広はブツブツ言っている。
「えー?だって千尋がすごくかわいい格好して走るかもよ?」
ボソッと哲が小声で言った。
「......っ!!!」
広はガタッと立ち上がると、千尋の手を取り言った。
「体育祭......見に行く。」
「ありがとう!広」
満面の笑顔を向けられた広は小難しい顔をしていた。
「いやー、わかりやすいな広は。」
「お、蓮。広の心情わかるんだ。」
「あれは照れてるだろ、どう見ても。」
「まぁ、あれはあからさまかな。でも、広は昔から万年仏頂面だからさ。何考えてんのか分からないって言われて友達少ないんだよね。」
「へぇ...、良い奴なのにな。」
「何話してんだよ。」
「「えっ!?」」
哲と蓮がぎょっとして振り返ると、さっきまで小難しい顔をしていた広がいた。
「いっ...いやぁ...」
蓮は少し気恥ずかしくなり、顔を逸らす。
「で?」
広はドカッと椅子に腰を下ろした。
「お前は仮装リレーで何着るんだよ?」
「え?あー...えーと...何にしよう」
「まだ決めてないの!?」
哲もびっくりして口をはさむ。
「あぁ。」
「こりゃ、学校の女子が泣きますわな。広さんや。」
「そうねぇ、哲さんや。」
双子息ぴったし。
「なんでだよ。」
「だって、学校の王子様が何の仮装もしないで走るだけだなんておいしくないわぁ...」
「ほんとよねぇ...」
「なんでてめぇらはオネェ言葉になってんだよ。」
「九条はまだ何にするか決めてないの?」
と、玲に抱き付いていた千尋が寄ってくる。
「ん?まぁな。千尋は決めたのか?」
「ん...一応ね...。」
「へぇ!何着るの?」
哲も興味津々のようで、広も千尋を見ていた。
「ひっ......秘密ッ!!!」
千尋の顔は茹でダコのようになっている。
そのとき。
「あれ...?」
玲がパソコンを操作しながら声を上げる。
「どうしたの?玲姉。」
哲が尋ねる。
「ハッキングされてるかも...。」
「「「は!!!???」」」
すぐさま各自のパソコンを起ち上げる。
しかし、異常は見られない。
「玲さんのだけだね...。」
そう言って、蓮が玲のパソコンをのぞき込む。
カタカタカタと蓮が少しいじくると元に戻った。
しかし、戻ると同時に一通のメールが届く。
「何だろ...。」
5人で画面を覗く。
”殺しに行くよ...待っててね...。”(I go for kill. wait.)
オフィスに一気に緊張が走った。
「え...なにこれ...」
千尋が少し後ずさる。
「ハッキング解除と共に送信される殺人予告か。悪趣味だな...。」
ふむ。と蓮は顎に手をあてる。
「これは...玲姉を狙ってるってことなのか...?」
広はいつも以上に眉間に皺を寄せていた。
「そうだろうね...。」
哲も同意。
「...とりあえず、頭領に報告しないとな。」
蓮の言葉にうなずきながら広がさらに続ける。
「千尋、できる限り玲姉と一緒に行動するようにしといて。...玲姉も千尋の部屋で寝泊まりするようにして。」
「うん、玲さんと一緒にいる。」
「わかったわ。」
千尋と玲も同意。
「じゃぁ、僕は頭領に連絡とってみる。」
と言って、哲は携帯を片手にオフィスを出る。
「俺はセキュリティー中央管理室にいってセキュリティーを強化してくるから、九条は...」
「俺は玲さんのパソコンで出所を探ってみる。」
広の言葉を途中で遮り蓮が言う。
「任せた。」
そう言って、広もオフィスを出ていった。
「玲さんが恨みを買うのは考えられないけど...何か心当たりは?」
玲のパソコンを操作しながら蓮は聞く。
「...ないわねぇ...。」
玲も困ったような顔をしていた。
「...だよねぇ...。」
誰に対しても優しい玲が恨みを買うのは考えづらかった。
「それにしても...執行軍の幹部のPCをハッキングできるってことは...結構なやり手なんじゃない...?」
千尋が不安そうに言う。
「そうだな...。ここの基地の地図を引っ張り出すのも割と時間かかったし...。セキュリティーは一流だよ、ここは。」
蓮が玲のパソコンをパタンと閉じる。
「何か分かった?」
「いや...、さすがにハッキングの癖ぐらいしかわかんねぇよ。」
「そうよね...。」
---------とはいっても...この癖はあいつの...。
蓮はしばし考え込む。
「頭領への報告しといたよ。」
連絡をしに行っていた哲が帰ってきた。
「ありがとう、頭領なにか言ってたか?」
「んー、今んとこ何もできないだろうけど...玲姉を1人にするなって。」
「だよな...。」
「頭領に連絡はついたのか?」
広も中央管理室から戻ってきた。
「あぁ、でも玲さんを1人にしないことしかできそうにない。」
「まぁ、そうか...。んじゃ、何か気づいたら逐一報告すること。」
「「「了解。」」」
広の指示で、その日は一応お開きになった。
卍も忙しいらしく、命令をなかなか下せない様子。
オフィスでは千尋、蓮、広、哲、玲が優雅にお茶をしていた。
「最近暇だよねぇ…。」
哲が紅茶をすすりながら言った。
「頭領も国のお偉いさん方に呼ばれたりとかい大変そうだしな。」
広も同意する。
「あ、そういえば…千尋と蓮君の体育祭は明日だったわね。」
「うん、玲さん来てくれるの?」
「もちろんよ、お弁当も気合い入れて作るわ。」
わーい!と言って千尋は玲に抱きつく。
「あ、ねぇ、蓮。下月高校の体育祭の仮装リレーはさ、いつぐらいなの?」
「ん?午後の部の一番最初だったと思うけど。」
「よし、広と一緒に見に行くよ。毎年楽しみなんだよね、色々とコスプレがあって。」
二ヒヒと哲が笑う。
「なんで俺まで...」
と広はブツブツ言っている。
「えー?だって千尋がすごくかわいい格好して走るかもよ?」
ボソッと哲が小声で言った。
「......っ!!!」
広はガタッと立ち上がると、千尋の手を取り言った。
「体育祭......見に行く。」
「ありがとう!広」
満面の笑顔を向けられた広は小難しい顔をしていた。
「いやー、わかりやすいな広は。」
「お、蓮。広の心情わかるんだ。」
「あれは照れてるだろ、どう見ても。」
「まぁ、あれはあからさまかな。でも、広は昔から万年仏頂面だからさ。何考えてんのか分からないって言われて友達少ないんだよね。」
「へぇ...、良い奴なのにな。」
「何話してんだよ。」
「「えっ!?」」
哲と蓮がぎょっとして振り返ると、さっきまで小難しい顔をしていた広がいた。
「いっ...いやぁ...」
蓮は少し気恥ずかしくなり、顔を逸らす。
「で?」
広はドカッと椅子に腰を下ろした。
「お前は仮装リレーで何着るんだよ?」
「え?あー...えーと...何にしよう」
「まだ決めてないの!?」
哲もびっくりして口をはさむ。
「あぁ。」
「こりゃ、学校の女子が泣きますわな。広さんや。」
「そうねぇ、哲さんや。」
双子息ぴったし。
「なんでだよ。」
「だって、学校の王子様が何の仮装もしないで走るだけだなんておいしくないわぁ...」
「ほんとよねぇ...」
「なんでてめぇらはオネェ言葉になってんだよ。」
「九条はまだ何にするか決めてないの?」
と、玲に抱き付いていた千尋が寄ってくる。
「ん?まぁな。千尋は決めたのか?」
「ん...一応ね...。」
「へぇ!何着るの?」
哲も興味津々のようで、広も千尋を見ていた。
「ひっ......秘密ッ!!!」
千尋の顔は茹でダコのようになっている。
そのとき。
「あれ...?」
玲がパソコンを操作しながら声を上げる。
「どうしたの?玲姉。」
哲が尋ねる。
「ハッキングされてるかも...。」
「「「は!!!???」」」
すぐさま各自のパソコンを起ち上げる。
しかし、異常は見られない。
「玲さんのだけだね...。」
そう言って、蓮が玲のパソコンをのぞき込む。
カタカタカタと蓮が少しいじくると元に戻った。
しかし、戻ると同時に一通のメールが届く。
「何だろ...。」
5人で画面を覗く。
”殺しに行くよ...待っててね...。”(I go for kill. wait.)
オフィスに一気に緊張が走った。
「え...なにこれ...」
千尋が少し後ずさる。
「ハッキング解除と共に送信される殺人予告か。悪趣味だな...。」
ふむ。と蓮は顎に手をあてる。
「これは...玲姉を狙ってるってことなのか...?」
広はいつも以上に眉間に皺を寄せていた。
「そうだろうね...。」
哲も同意。
「...とりあえず、頭領に報告しないとな。」
蓮の言葉にうなずきながら広がさらに続ける。
「千尋、できる限り玲姉と一緒に行動するようにしといて。...玲姉も千尋の部屋で寝泊まりするようにして。」
「うん、玲さんと一緒にいる。」
「わかったわ。」
千尋と玲も同意。
「じゃぁ、僕は頭領に連絡とってみる。」
と言って、哲は携帯を片手にオフィスを出る。
「俺はセキュリティー中央管理室にいってセキュリティーを強化してくるから、九条は...」
「俺は玲さんのパソコンで出所を探ってみる。」
広の言葉を途中で遮り蓮が言う。
「任せた。」
そう言って、広もオフィスを出ていった。
「玲さんが恨みを買うのは考えられないけど...何か心当たりは?」
玲のパソコンを操作しながら蓮は聞く。
「...ないわねぇ...。」
玲も困ったような顔をしていた。
「...だよねぇ...。」
誰に対しても優しい玲が恨みを買うのは考えづらかった。
「それにしても...執行軍の幹部のPCをハッキングできるってことは...結構なやり手なんじゃない...?」
千尋が不安そうに言う。
「そうだな...。ここの基地の地図を引っ張り出すのも割と時間かかったし...。セキュリティーは一流だよ、ここは。」
蓮が玲のパソコンをパタンと閉じる。
「何か分かった?」
「いや...、さすがにハッキングの癖ぐらいしかわかんねぇよ。」
「そうよね...。」
---------とはいっても...この癖はあいつの...。
蓮はしばし考え込む。
「頭領への報告しといたよ。」
連絡をしに行っていた哲が帰ってきた。
「ありがとう、頭領なにか言ってたか?」
「んー、今んとこ何もできないだろうけど...玲姉を1人にするなって。」
「だよな...。」
「頭領に連絡はついたのか?」
広も中央管理室から戻ってきた。
「あぁ、でも玲さんを1人にしないことしかできそうにない。」
「まぁ、そうか...。んじゃ、何か気づいたら逐一報告すること。」
「「「了解。」」」
広の指示で、その日は一応お開きになった。

