夜も明け、日曜日の昼下がり。
卍が出張でどこかへ行ってしまったので、哲、蓮、千尋、玲は広の部屋に押しかけた。

ーーーーコンコン
ーーーーコンコンコン
ーーーーコンコンコンコン
ーーーーコンコンコンコンコン

みんなでドアをノック。
すると……部屋の中からﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀと足音が聞こえ、ｶﾞﾁｬｯと勢い良くドアが開く。
凄い寝癖の広がしかめっ面をして出てきた。

「………。」

女性陣は慌てて後ろを向いた。

「……？」

広は頭が寝ぼけていて何で後ろを向いたのかわからなかった。

「あのさ……広。」

哲が気まずそうに声をかける。

「服、着ようか。」

広は寝るとき、パンツしか身につけていない。
細身の体にはあまりわからないが、腹筋も割れており、色っぽい体つきをしている。


「………。」

広は無言で部屋に引っ込むと、けたたましい音をたてながら服を着る音が聞こえた。
また、ドアから広の顔がのぞく。

「みんなこぞって何しに来たんだよ……。」

広は不機嫌そのものだった。
哲は広をものともせず、

「お邪魔ーっ」

といって、遠慮なく部屋の中へと入っていった。

「おっ、おい!!」
「お邪魔ー。」
「入るね、広。」
「失礼します、広君。」

それぞれ何か言って、部屋に入ってしまった。

「…………はぁ………。」

広はうなだれ、ため息をつき部屋のドアを閉めた。