とある夏の日私は炎天下の下で大きな溜息をついていた。

「はぁ・・・どぅしてパンクするのよ」

不機嫌な顔でパンクしたタイヤと睨めっこしながら学校から自転車を押してここまで帰ってきたがこの私の体力は限界がきていた。
重い自転車をひこづりながら帰っていると横に車が近付いてきた。
運転手は何故かこちらを見てきている

私は運転手と目を合わさないようにただ前を向き早足で歩いてみたが運転手は何故かそれに合わせて着いてくるので私は耐え切れず足を止め運転手に顔を向けると運転手は口を開いた。

「自転車パンクしてるの?」

「・・・はい・・」

「修理屋さんまで乗せてってあげようか?」

彼は笑顔でそう言ってくれたが知らない人だし・・という事もあり断ると運転手はあっさりと進んでいく。

(あぁ・・いっちゃった)

断った後に足の痛みに気付き少し後悔したと思ったのだがこのご時世何があるか分からない時代だしつい最近も女が連れ去られ事件に巻き込まれたニュースがしていたので私の選択は間違ってなかったと思う。

重い足どりで進んでいくとさっき私に声を かけた運転手が私を待っているかのように車を止めて動かないでいる。


「私事件に巻き込まれる!?!?」

昨日見たニュースが頭の中をいっきにかけめぐる。


進みたくないがこの道しか帰る道がない私は恐る恐る車へと近付いていく。
すると運転手は待ち構えていたかのように車から降りてきた。

(あー私の人生終わった・・・)


そう思った瞬間運転手はまた声をかけてきた。

「やっぱりしんどそうだし・・修理屋まで乗せてってあげるよ^^」

心配そうに見つめる運転手の顔は嘘をついていない気がして私はつい乗ってしまった。
今さら後悔したって遅い。
これからどんな事件に巻き込まれるのだろうと私はひたすらそればかり考えていた。