「ふぁあ...よく寝た、リナ先輩起き...」

ぐっすり寝ている先輩を見るともう少し寝かせてあげよう
という気持ちになった

「この時間ならまだいる、のかな?」

如月幸人先輩のこと、あれから気になって仕方ない
着替えて行ってみることに

あれ、そういえば飛び出したはいいけど
ここの校舎一体どこ・・・!?

寮に戻れないよー! 
走り回って探したけど方向音痴なので余計に
迷うばかりだった

「あれー?こんな時間に女の子?大胆ー」
「えぇ!? な、何ですかっ」

男の先輩が立っていた
私の髪を執拗に触ってくる

「や、やめてください!」
「やめてって言ってやめる人なんていないよねー」

誰か助けてっ...
男の先輩は手を握りしめてくる、苦しい

「おい、何やってんだよ?」
「なっ、き、如月・・・」

先輩!? よ、よかった・・・助かった

「別に、こんなのっ・・・ちっ
 ただの暇つぶしだよ、じゃあなっ」
「まったく、あいつは・・・あ、」
「・・・?」

先輩がこちらを見てくる
何だろう...ち、近いっ!

「だいじょーぶ? 顔赤いみたいだけど」
「えっ、ぜ、全然大丈夫ですっ!」

う、嘘・・・私の顔赤い、の!?
胸の鼓動が高まる中、先輩はまだ見つめてくる

「ん、どうぞ」

なにか差し出してきたと思ったらチョコレートだ

「あの・・・? これは」
「いや、特に意味はないけどさ、あげる」
「はぁ・・・で、では貰いますね」
「どうぞ、あと、もうこんなとこに来ちゃダメですよ、っと」

軽く額を小突いてきた

「あの、ここはどこなんですか?」
「え、知らないの・・・?」
「はい、えっと・・・その、何ていうか私用で
 ふらついていたら、迷ってしまって」
「ぷっ、そ、そうか じゃあ教えるよ、ここは男子寮だ
 ちなみに女子寮はあっちで、校舎は反対側」

こ、ここって男子寮だったのかぁ!?恥ずかしいっ

「あ、ありがとうございます。如月先輩」
「いーえ、どういたしまして、神凪後輩」
「文脈おかしくないですか? 後輩ではありますけど・・・」

先輩は「うーん?」と考えて提案してきた

「じゃあ優妃、でいいですか」

その言葉にとてつもなく胸が弾んだ

「はい、優妃でいいです・・・」

どうしよう、何か居づらいよ、この空気
そう思っていると

「優妃ー! あぁ、よかった。いたいた」
「上川? お前どうしてここに?」
「お前こそ何でここにいるんだよ、しかも優妃と・・・」
「リナ先輩、あの・・・違うです、これは
 えっと、助けてもらいましてですね」

するとリナ先輩はキョトンとして
「そうか、そうだったんだ、ごめんな如月」と
如月先輩に謝った

「別に気にしてない。じゃ、優妃を送ってってやれよ」
「あぁ、もちろんだ 優妃を助けてくれてありがとう如月」

あぁ・・・何だかリナ先輩がかっこよくみえる
大事にされてんなあ私