「誰か救急車!!」 「名前はっ!?」 たちまち慌ただしく動く人達に囲まれて見えなくなった。 足を動かしたくない。 でも… 人混みをかきわけて中心まで行くと やっぱり、頭から血を流す皐月。 つい先ほどまで会話をしていた友達。 「……皐月ぃぃぃーっ!!」 やだ。やだ。 いやだよ、絶対に。 こんな姿になった人を あたしは知っている。 「…死なないで…!!」 あたしの前から消えないで もう、大事な人を連れて行かないで。