突然目の前のドアが開いて目があった。


あたしをみてすぐに焦りの色が浮かぶ。



…本当にわかりやすい。



「な、なぎさ…なんで…

今の聞いてたのか?」


そんな顔させるくらいあたし、気ぃ使わせていたんだね。



それなのに…

やっぱり2人が大好きなあたしってイタい。



でも、もう解放してあげなきゃ。




「涼ちゃん…。」




「…あ?」




「今までありがとう…。

麻美と仲直りしてね。
バイバイ。」



口角を上げて優しく告げた。



あたしのことで喧嘩する2人を見るのはツラかったの。




苦しめてごめん。


重くてごめん。




「…は?

ナニ言ってんだよ、なぎさ…!!」




「もう、あたしに関わらないで。」





そう言うと固まってる涼ちゃんの横を通りケータイを取りに行く。



やっぱりここにあった。




ポケットに収めて再び後ろを向くとすごい勢いで涼ちゃんがあたしに迫ってきた。



「なぎさ、話をきけ…!」




「いいから。
ごめんね、気づかなくて。


じゃ、あたし急ぐから。」




涙を滲ませてたのは見逃してね。