そこには現恋人となった彼がいた。
「え、あ、はい。大丈夫っす」
手を取られて赤くなった所をさすられる。
皮膚の色位で特に異常はない事を確かめると、彼の手が今度はまた顔へと伸ばされる。
何をする気だろうと考えると、やっぱりさっきみたいに涙を拭われるんだろうか。
気づかないふりしてたけど、俺ばっちり涙目じゃん。恥ずかしい。
顔を固定され、俺は新たな発見をした。
真っ直ぐに向けられる目を見つめ返すのは想像以上に大変だ。
何をされているでも無いのに、顔に熱が集まるのが分かる。
総長と彼女さんすげぇ。
「あーらら、満更でもないんじゃね?」
視線を彷徨わせていると、そう揶揄られた。
丁度いいからそっちを睨み付けると、ニヤニヤこっちを見ている幼馴染と、相変わらず爆笑し続けてる謎頭がいた。
アイツ腹筋鍛えられてそう。
熱を冷まそうと意識を他に散らそうとする。
なのに今度は、指よりも熱い何かが目じりに触れる。
それが唇だと気が付いたら他人の筋肉なんて考えていられない。



