「いや、だからな、好きなんだってよ」
困りきった顔の総長が俺に言う。
どうやらブツブツと独り言を呟いていたらしい。
そういや、さっき好きだって言ったな。俺の事が。
まさかの事態に俺の考えは追いつかない。
ちなみに何故総長が困っているのかというと、うちのチームは自由恋愛主義だからだ。
だから今、判断は俺に任されていると言っても過言ではない。
俺がOKを出せば、カップル成立な上に協定が結ばれる。
わー、ハッピーエンドですねー。
「……いや、ちょ、えぇー」
次に困るのはもちろん俺。
そのハッピーエンドになんて持っていきようがない。
いきなり男に告られても困る。
そもそも敵総長とは今日が初対面だ。
そう、そうだ！
