いけにえ系男子【BL】



……ちょっと、今俺の身に何が起こっているんだろう。


乾いた皮膚、さっきはぼかしたが、それは唇だ。
そこに触れた、同じような感触の何か。

それは……うん、唇ですかね、やっぱり。
マウストゥマウス?


で、肝心なのはその相手だ。

一番近く、それも真正面に居る相手が怪しいだろう。



「……え?」


それはもちろん、今も目の前にいる彼しか思い当たらない。

ジッと俺を見据える相手、敵総長以外には。


俺は彼に、キスされていたんでしょうか。