「協定を結んでやるよ」
舌打ちの次に敵総長が発したのはそんなセリフだった。
「は?」
呆気にとられたような総長の声がする。
俺だって声が出ていたら似たような音を出した筈だ。
人数がこっちよりも大分多い敵チーム。
が、こっちに不可侵だったり味方になってくれたりしちゃったら助かるのは解る。
でもそんな急に言われても明らかにおかしい事も解る。
今日、総長の彼女さんを連れ去ろうとしたんだから余計にだ。
何かの罠だろうか。
俺に総長に彼女さん、それに入ってきた他のメンバーも一斉に訝しげに敵総長を見た。
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