なにか気になった本でもあるのかな。
俺はまた覗きながら、鬼丸先輩の様子を窺う。
適当にパラパラ捲っては、すぐに戻すを繰り返し、たまに少しの間だけ見ていたりしたけど、しまって別の本をまた取り出す。
俺も人のことは言えないけど、ああゆう行動は見てて嫌になる。

しばらく鬼丸先輩はそれを繰り返していたけど、また入店音楽がして甲高い癪に障る喋り声が聞こえた瞬間、彼女のうんざりしたようなため息が離れた自分の所にまで聞こえた。